茅の舎で野菜尽しの晩餐 |
| 永香自然農園が野菜を納入させて頂いている茅の舎。こちらの農業生産部門である(有)美田の 黒田さんから、日頃野菜の調達でお世話になっている農家の方に茅の舎の料理を召し上がって 頂きたい、との嬉しいお招きを受け、茅の舎自慢の野菜づくしディナーを頂いて参りました。 永さんの師匠である、トマト農家伊藤光徳さん、イチゴ農家伊藤茂春さんのご夫妻もご一緒して、 お迎えの豪華なバンで久山の茅の舎に向かいます。道中、伊野神社にお参りし夜桜を堪能したり、 山中に野生の鹿を見つけて大騒ぎしたりするうち車は茅の屋に到着。人里離れた山深い谷は春の 香気に満ち、実に気持の良い夜です。 さて、枯山水の庭園を望む個室に案内された私達。美しくしつらえられたテーブルと室内は、山中に 忽然と現れる豪奢な茅葺の家という舞台設定も相まって、存分に非日常の異空間を味わわせて くれます。美田からは黒田さん、谷野さん、若い狩野君が同席。もう一人、嘉麻の稲作農家の 二代目という松隈さんがいらしていました。 「春の特別ディナー 桜 さくら」と銘打たれた献立表には、わらび、うど、筍に木の芽と、春の味覚満載。先附からデザートまで、旬の野菜がふんだんに使われていました。 一皿目は、アスパラをオリーブ油でソテーしたもの。これは永さんのアスパラでしょうか?アスパラはほとんど生に近い状態ながら、これだけで完成された一品となっています。この後の料理への期待がいやがうえにも高まる、魅力的なアミューズでした。極めてシンプルな調理から、素材に対する絶対の自信がうかがえます。 目にも美味しい前菜の盆。上の白いお皿から時計回りに、蕨(わらび)豆腐、貝柱と空豆の桜マリネ、筍木の芽味噌焼き、黒豚と蕗のトマトソース煮、独活キンピラ。いずれも素材の味を生かした上品なお味で大満足。実は私、コース料理の中で一番好きなのが前菜なのです。目と舌で味わう前菜は、お店毎に趣向を凝らした料理が堪能できるのが魅力。お店の実力が如実に表れるのも前菜だと思います。 前菜に続いてのスープは、茅の舎のこだわりそのままに、その名も”大地の恵”。漂う香りはお味噌汁。でも、一口含むと生クリームのような豊かなコクがふわぁっと広がる味は洋食のポタージュ。香りと味のギャップが楽しいスープです。浮き実の焼き米がとても香ばしくて良いアクセントに。体の隅々まで栄養が行き渡るような滋味溢れるスープでした。う〜ん、美味しい!これは今日一番のお気に入りとなりました。 おなじみのコロッケ(クロケット)も、出自は由緒正しいフランス料理。しかしこちらのコロッケは、衣こそ洋風ですが、精進料理の胡麻豆腐にも通ずる味わいです。これはもう日本料理と呼んで差支えないでしょう。 長野おばあちゃんとは誰なのか、結局聞きそびれてしまいました。こちらの煮物も春らしい素材同士の組み合わせで、とても優しいお味。家庭料理よりは薄く、料亭で出される煮物よりは濃い、ちょうど良い味加減でした。茅の舎では長野おばあちゃんを講師に招いて料理教室も開催されているようです。メインの二種のお鍋と〆のご飯の写真を、私としたことが話に夢中になり、不覚にも取り損ねました。 お鍋にもいろんな穀物が使われていまして、それが味わい深さの源かなぁと感じました。とにかく 体に良さそうなお料理ばかり。ここでご飯食べると健康になれそうです。お鍋の後は土鍋で炊いた 十穀米と黒田さんが作ったぬか漬けが供されます。ご飯はおかわり自由。 最後のお楽しみ、デザートは、豆腐のティラミス。茅の舎御自慢のバウムクーヘンと豆腐のクリームが層になっていて、スルスル〜ッと胃の中に入って行きました。美味しかった!もう2〜3個は食べられそうでした。心も体も浄化されるような滋養に満ちた献立でした。黒田さん、お招き頂きありがとうございました。 これからも永香自然農園の野菜と、志のある農家へのご声援をお願い致します。今度は自腹で お邪魔しますね。 素晴らしいお料理を作って下さった岡部料理長と、本日のホスト、黒田さん。素敵な時間を提供して下さったお二人に感謝、感謝です。岡部料理長は、由布院の高級旅館、山荘無量塔(むらた)の二番手まで務めた腕っこき料理人。遠くまで足を運んでも味わう価値のある料理です。是非茅の舎にお越し下さい(まわし者ではありませんのであしからず)。 |
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Author:タマネギ
福岡県在住の長崎人。日本人として、百姓として、感情の赴くままに・・・。